動画制作を始めたい方対して、ぜひ伝えたいこと
その「おまけ」として続けてきたことのコラムも、今回で50回目を迎えました。
このコラムでは、当サイトの各パートに関する「予備知識」となる内容を取り上げており
当サイトのテーマである、
「全く動画に関する知識がない」という人でも
全て自力で「完パケ(完成映像のメディア)」を作ることができるようなる
という過程の、その「補完」となる内容となることを心掛けてきました。
アクセス解析の結果、当サイトを訪れてくださる方というのは
やはり「これから映像趣味として映像を作ってみよう」という方や
「結婚式の余興ビデオを作ることになった」といったといった方が多く見られ
一気に何ページも読んでくださる方も多く、嬉しい次第です。
参考にしてくださっている方がいらっしゃえば、幸いです。
そして記念すべき今回は、「趣味としてのビデオ」の最高峰とも言える
「自主制作映画」を作るためには、どうすればいいのか
どんなものが必要で、何があれば作れるのかについて、解説したいと思います。
必要な「もの」は意外と少ない
「映画の作り方」に関しては、とても個人が語れるものではなく
ここではあくまで、「現実的な作り方」について解説していきます。
「型どおりで面白い映画が作れるか!」といった意見もあるかと思われますが
あくまで最低限、これさえあれば・できれば、という点についてのみ紹介します。
そして、そのために必要な準備すべき「もの」は、意外と少ないのです。
「誰でも映画が作れる時代」と言えます。
「道具」は何でも大丈夫な時代
1つの「映像」を作ることを目的とした際に、
まず必要な「もの」としては、
- 映像を撮影する道具
- 撮った映像をまとめる道具
以上が挙げられ、それぞれ
- ビデオカメラ
- 編集ソフト
ということになります。
とにかく「しっかりとした画を撮る」
ビデオカメラに関しては、入門機材としては「ハンディカム」が一般的ですが
現在では「スマホ」であっても、十分な「画」を撮ることができます。
ただし「高くない機材」の弱点として、「暗いところに弱い」ことが挙げられ
被写体が見えない、だけでなく「小さなノイズ」が出てしまいます。
スマホに関しても同じであり、「作品」として成立させるために
「ある程度しっかりした画」を撮るなら、やはり最低限の機能は欲しいと言えます。
もちろん、価格が高ければ高いほどに
機能も充実していますが、「解像度」や「画の味」等ではなく
「画を撮る」という点においては、とにかく「明るさ」が重要であり
ぜひカメラを選ぶ際の、参考にしてみてください。
(とは言っても、5万円以下のハンディカムには、それほど差がありません。)
編集できれば基本的には「どんなソフトでもいい」
編集に関しては、「パソコン」と「ソフト」が必要です。
ここで考えるべきは、編集とは何か?ということであり
余計なものを「切って」必要なカット同士を「つなげる」
これだけで、作品として成立させることができます。
特殊な効果(エフェクト・フィルタ)を使わないのであれば
安いパソコン(3万円程度)でも、それほど問題はなく
ソフトに関しては、「本当になんでもいい」と言えます。
どんなソフトであっても、切る・貼るはできます。
もちろん、ストレスのない、スムーズな編集がしたいのであれば
できるだけ性能・価格の高いパソコンを買うべきですが、きりがないことでもあります。
作品を作る際に最も必要な「構想」
ここからが本題です。
上記したように、「設備」は「かたちにできれば何でもいい」のです。
本当に大切なことは、「何を作りたいか」であり
それを実現させるための、「構想」とも言えるものになります。
これに関しても、とても簡単には説明できないものですが
「映画」ということであれば、
- 脚本(話の内容)
- 絵コンテ(カット割り)
を用意し、それを実現するために必要な
- 時間
- セット
といった、極めて現実的な内容です。
「計算」と「妥協」の連続
これらの計画というのは、一般的な仕事で言えば
「ワークフロー」とでも言うべきものですが、
「可能にさせるために必要なこと」
更に
「可能にするために変化させるべきこと」
この両方の考え方が大切です。
例えば、「砂漠」を撮りたい時に
「アフリカに行く」よりも「鳥取砂丘」に行く方が現実的です。
ただし、「どうしても綺麗な海の画のが撮りたい!」のであれば
「湘南」よりも、「沖縄」の方が条件がいいはずであり
場合によっては「不可能ではない」と考えられます。
こういった、「微妙な可否」を考えることの連続なのです。
- 衣装
- セット
- 出演者のスケジュール
といったことを含めて、妥協の連続でもあります。
「自主制作」という時点で、予算は極めて少ないはずです。
それを考慮して、計画していくことが大切なのです。
「完成」させるために「期限」を設ける
自主制作ということは、ある意味で「勝手に作っている」ものであり
そのため「締め切り」といったものがありません。
そして、この点が「自主制作作品が完成しない」理由になります。
簡単に言うと、「途中まで撮ってだらけてしまう」ということが非常に多いのです。
それを防ぐためには、「いつまでに完成させる」という目標を設定することであり
その際には、作品を何等かの「賞」に応募することも1つの選択肢です。
これは「モチベーション」につながることでもあります。
難しく考えずにまずは「作る」こと
以上は、<自主映画>ということを前提に解説してきましたが
「映画」に関わらず、映像作品には「尺」という概念があります。
尺とは「作品の長さ」になりますが、基本的には尺が長いほどに
カット数が多くなるため、もちろん撮影も編集も大変です。
そのため、まずは30分未満の「ショートムービー」から始めて
1時間以内の「短編」に挑戦してみましょう。
尺による定義は、実際には明確には決まっていません。
「映画の長さ」と聞くと、「2時間」というイメージがある方も多いと思いますが
これはおそらく、「〇〇ロードショー」の影響かと思われます。
実際には、100分前後が多いです。(最近は短尺・長尺が極端な傾向)
稀に3時間弱の作品もありますが、「長いと見る気にならない」といった
視聴者の意見が多く、実際に長すぎる映画はヒットしないと言われています。
また最初から90分以上の作品を作ることは、非常に難しいはずであり
とにもかくにも、たとえ「1分」でも、作品を作っていくことが大切です。
「経験」というのは非常に重要であり、何よりも代えがたい成長につながる要素です。